カテゴリー: お酒を愉しむ!

  • お酒を愉しむ!⑥ありがとうノンアルコール

    お酒を愉しむ!⑥ありがとうノンアルコール

    最近気になるのは低アルコール、ノンアルコールの存在です。
    コロナを経て、仕事がらみの飲み会が低調になり家飲みが増えてきたと同時に、ノンアルコールの登場回数が増えてきている実感があります。気を使わない飲みの場では酩酊する必要がなく、純粋にお酒の味を愉しむことができるということかもしれません。

    日本の酒税法では、アルコール分が1%以上の飲み物を「酒類」と定めています。1%未満のものはノンアルコール飲料で、お茶やジュースと同じ「清涼飲料水」になるのです。0.3%などの微アルコール飲料はコンビニで購入するとき年齢確認がありません。法律上は二十歳未満の未成年者も含め誰でも飲むことができます。アルコール分ゼロであれば、飲んで運転しても問題ありません。
    ただ各メーカーは「二十歳以上の人の飲用を想定」と表記し、アルコールじゃないにもかかわらずアルコールと同じ扱いをしていますし多くの小売店も酒類コーナーに並べています。「『本物のお酒を飲みたい』という気持ちを誘発する恐れがある」「責任ある飲酒の推進と不適切な飲酒の撲滅はアルコールメーカーとして大きな責務」ときちんと対応しています。

    そもそもお酒の作用には「酔う」という覚醒作用だけでなく、「旨味」の相乗効果で料理をおいしくする作用もありますよね。みりんや料理酒なんてものが当たり前に台所にありますし、日本だけじゃなくワインや紹興酒を加えるレシピ、たくさんありますよね。前回(お酒を愉しむ!⑤居酒屋一番の働き者チューハイ)お話ししたように、日本のどんな食事にも合わせてくるチューハイですが、例えば「抹茶ハイ」は清涼飲料水である「緑茶」とは違います。アルコールに含まれる何かが作用して一緒に食べている料理をさらにおいしくしてくれているんだと思います。酔いたいわけではなく、あの味が好きという理由もあると思うのです。それに応えてくれるのがノンアルコールなんです。
    一般的に好まれているビールや焼酎はノンアル系などという言葉まで聞かれるほど、ノンアルコールに対して積極的に取り組んでいますが、それ以外の分野ではまだまだ試行錯誤の真っ最中でしょうか。「出来上がったお酒からアルコール分を抜きました」というだけのものは何か違う感じがします。早く多彩なフレーバーの中から自分好みのノンアルコールが選べるようになってほしいものです。

  • お酒を愉しむ!⑤居酒屋一番の働き者チューハイ

    お酒を愉しむ!⑤居酒屋一番の働き者チューハイ

    曖昧なものを寛大に受け入れる日本。その中でも居酒屋における「チューハイ」はその代表のような存在です。
    酒税法上「チューハイ」という分類はなく、缶チューハイなど商品として販売されているものならば「スピリッツ」「リキュール」などと一応分類はされていますが、飲食店内においてのそれは、そんな区別は誰も求めていないので表示されていません。


    そもそも「焼酎」の「酎」と「ハイボール」の「ハイ」が合わさった得意の造語なんですが、そこに「サワ―」も加わり、「焼酎」じゃなくて「ウォッカ」や「ジン」をベースにしたものもあるし、ウイスキーで作る本家「ハイボール」にだって、ミントやオレンジを加えてみたり。「ウーロンハイ」は炭酸じゃないけど「ウーロンサワー」とはあまり聞かない。もう雰囲気ですね、何と呼んでいただいてもかまいませんよという守備範囲の広さです。

    ヨーロッパの人々が食事にはワインが欠かせないというように、日本にもご飯に味噌汁という言葉はあります。しかしながら日本で毎食がそれという人はとても少ないと思います。なぜならバリエーションの少ないヨーロッパの食事と違い、日本の食事は実に多種多様。和食を筆頭にイタリアン、フレンチはもちろん中華にインドにファストフードと毎回いろいろな選択肢があるのです。そして居酒屋ではそれらを一度に楽しめるのです。お刺身も焼き鳥も唐揚げもポテトフライもピザも、そんなメニューにオールマイティに対応するチューハイ。お食事の邪魔をしないお茶系、脂っこいものにはさっぱりと柑橘系、デザート代わりにスィーツ系、なんにでも合います、合わせられます。魚介には白、肉には赤と合わせるんですよというワインより、よっぽど広い範囲をしかも無意識に使い分けて活躍するチューハイは日本の日常食にぴったりはまったんだろうなと思います。

    商品として販売されているいわゆる缶チューハイ・サワーは、酒税法上その原材料と分量により「リキュール」「スピリッツ」「その他の発泡性酒類」のいずれかに分類されています。居酒屋においては「チューハイ」「サワ―」、さらにバーなどでは「カクテル」と変幻自在に名前を変えて活躍し続けます。

  • お酒を愉しむ!④「冷酒」と「冷や」と「ぬる燗」と

    お酒を愉しむ!④「冷酒」と「冷や」と「ぬる燗」と

    日本人にとってよほどのハイカラさんじゃない限り、お酒といえば日本酒のことであったであろう時代から、常温だけでなく寒い時期は温めて呑んでいたようです。冷蔵庫のない時代なので常温より冷やすのは現実的ではなく、温めた「燗」ではないものに対して常温のものを「冷や」と呼んでいたことから始まった言葉のようです。現代では常温より冷たいものも日常的に楽しめるので、それは「冷酒」として区別しているということのようです。

    このように冷たいものから温かいものまで幅広い温度で味わえるのが日本酒の魅力の一つ。温度によって香りや味わいが変化します。たとえば、冷やしたものは飲み口がキリっとして軽やかになり、アルコール分が少ないのかなと感じられるし、温めることで香りが広がりまろやかなふくらみで、甘みがより感じられます。お酒によってはこの温度で味わってください!とうたわれているものもあります。あえて同じ1つを冷やしたり、常温にしたり、温かくしたりして飲み比べてみると自分の好みもわかって愉しくなります。

    ちなみに奥深い日本のこと、温度表現には繊細な違いがあります。
    55℃以上の「飛び切り燗(とびきりかん)」から5℃刻みで、「熱燗(あつかん)」「上燗(じょうかん)」「ぬる燗(ぬるかん)」「人肌燗(ひとはだかん)」「日向燗(ひなたかん)」
    20℃前後を常温とし「冷や(ひや)」
    冷やすほうは15℃「涼冷え(すずびえ)」「花冷え(はなびえ)」とあり、「 雪冷え(ゆきびえ)」は5℃ということです。
    残念ながら飲食店ではなかなか通用しない用語だと思いますので、ご自宅で楽しんでくださいね。



  • お酒を愉しむ!③ビールは今、存分に楽しもう!

    お酒を愉しむ!③ビールは今、存分に楽しもう!

    毎年のように定義や税率が変更され、その度に話題になりさらに工夫が重ねられているアルコール飲料の代表、ビール。主に原材料の違いから「ビール」「発泡酒」「その他(新ジャンル)」と分けられ、それに伴い税率もバラバラで価格も幅広いのですが、あの喉越しは他のお酒とは一線を画す人気者です。

    嗜好と懐事情により各家庭のレギュラーメンバーは多種多様だと思いますが、異常とも思えるヴァリエーションを楽しめるのはここ数年のうちだけになるかもしれません。なぜなら、2026年10月1日には、ビール・発泡酒・新ジャンルの税率が一本化されすべて同額(350ml缶1本あたり約54円)になることが決まっているからです。
    税率が同じになれば、単純に原材料の内容と使用量による分類となり、原材料や製造方法により価格が決められるわけです。おおよそビールの価格は値下がりし、発泡酒・新ジャンルの価格は値上がりするであろうといわれています。消費者の好みが一層大事になってくるのです。その時にどれが生き残ることができるか、各社近い将来を見据えて大実験中ともいえるのではないでしょうか?今喜ばれている麦芽を使わず豆を発酵させた「その他の醸造酒(発泡性)」であるこのわが社の新ジャンルビールは、価格が上がっても人気のままだろうか?今も愛されているわが社のこの正真正銘の「ビール」は、発泡酒と変わらない値段になればますます愛されるのか?刻々と近づく2026年までにやっておきたいことは数限りなくあることでしょう。

    特に次々発表されている発泡酒や新ジャンルに関しては、安い税率である今のうちにいろいろ試しておきたいものです。麦芽が好きと思い込んでいたけれども、この喉ごしが味わえるならむしろこっちの大豆のやつのほうが美味しい気がするとか、レモングラス入りがくせになるとか、愛飲する私たちも、来るべき2026年に向けて試飲を開始いたしましょう!

  • お酒を愉しむ!②日本酒 Japanese Sake

    お酒を愉しむ!②日本酒 Japanese Sake

    とても聞きなれた言葉「日本酒」ですが、酒税法の分類に「日本酒」という文字はありません。醸造酒類にある「清酒」がこれにあたります。(参照①お酒とは)
    古代から酒を飲んでいたことは確かなようなのですが、「酒」という言葉「日本酒」という言葉がいつから使われていたのか、はっきりとはわかりません。
    また現在の酒税法では、「清酒」とは「米、米こうじ及び水を主な原料として発酵させて、こしたもの」と書かれているだけなので、醪(もろみ)をこして造られた度数22度未満のアルコールはすべて清酒と分類され、イメージする透き通った酒だけではなく、にごり酒も清酒に含まれます。
    このように用語としてはとても曖昧に扱われてきましたが、「日本のお米と水で作ったお酒」という共通した認識をもって愛されてきました。

    ところが、世界中でいろいろな流通が盛んになるにつれ、日本のお酒 Japanese Sake は日本酒 Nihonshu という言葉とともにひとつのブランドのようにあつかわれ始め、米と水が原料でありさえすれば清酒になるのだから、これは立派な「日本酒」だというようなSAKEが次々見られるようになりました。
    そこで、日本酒の価値を守るため酒税法を所管する国税庁が平成27年に国レベルのGI(地理的表示)として「日本酒」を指定しました。シャンパンとスパークリング・ワインの違いが代表的なGI表示の例です。
    これにより、原料の米に日本産米を用い、日本国内で醸造した「清酒」で国税庁が審査、認可登録したものだけが「日本酒 Nihonshu Japanese Sake」という呼称を表示することができ、それ以外の「清酒」は「日本酒」と表示することができなくなりました。

    「日本酒」は、日本の明確な四季と結びつき発展し、貴重な米から製造される特別な飲料として、冠婚葬祭や年中行事の際に飲まれる習慣があり、伝統的に国民生活・文化に深く根付いてきたものであるからして、日本が長年育んできた日本酒の価値を保全していく。と国税庁も位置付けているように、日本人にとっては大切なお酒です。国際戦略的な呼称もおなじみの名称も、変わらずにこれからも愛され続けるに違いありません。

  • お酒を愉しむ!①お酒とは?

    お酒を愉しむ!①お酒とは?

    様々な農産物から作られるお酒ですが、農水省の管轄ではなく国税庁の管轄であるということが重要のようです。
    お酒というものは栄養摂取が目的ではなく香味や刺激を得るための嗜好品で必須のものではない、過度な飲酒が社会風紀を乱すおそれがあることもみな認識している、しかし禁止してしまうのは難しい(もったいない?)ほど皆に愛されたくさん消費されている。
    では、税金を納めることでお互いに良しとしませんか、と世界中で考えられた結果のようです。

    お酒は税金を納める必要があるため、種類や度数のごとに税金の区別がつけられています。
    その区別の中で出来るだけ安くお酒をお客様に届けるために各社は工夫と努力をし、そのたびに法の改定がされ、また酒メーカーは工夫をする、そのような歴史と背景の中でお酒は進歩続け、バリエーションも広がり、たいへん熟成された世界がひろがっています。

       

    第一条 酒類には、この法律により、酒税を課する
    日本の酒税法はこの一文から始まります。税金を納めてこそ正式な「酒」である、ということでしょうか。

    第二条 この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料をいう
    第二条第2項 酒類は、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類及び混成酒類の四種類に分類する

    これが日本のお酒です。この四種類の中におなじみのお酒たちは分類されています。

    発泡性酒類
     イ ビール
     ロ 発泡酒
     ハ イ及びロに掲げる酒類以外の酒類で発泡性を有するもの
    醸造酒類
     イ 清酒
     ロ 果実酒
     ハ その他の醸造酒
    蒸留酒類
     イ 連続式蒸留焼酎
     ロ 単式蒸留焼酎
     ハ ウイスキー
     ニ ブランデー
     ホ 原料用アルコール
     ヘ スピリッツ
    混成酒類
     イ 合成清酒
     ロ みりん
     ハ 甘味果実酒
     ニ リキュール
     ホ 粉末酒
     ヘ 雑酒

    →酒税法(昭和二十八年法律第六号)

    もちろんそれぞれに細かい条件が設定されています。この「酒」を愉しんでまいりましょう。